外壁塗装の中塗りと上塗り、色変えはNGです!
外壁塗装は、下塗り、中塗り、上塗りの3回に分けて塗り上げます。
その時、中塗りと上塗りの色を変えて塗装を行う施工店が増えてきているようですが、この工法はオススメしません。
このページでは、なぜそのような工法をオススメしないのかを解説いたします。
塗料に関する専門的な話ですが、お家の今後を左右する大事な話なので、ぜひ最後までご覧ください。
外壁塗装は、基本的に3回塗り
外壁塗装の手順として、基本的に3回に分けて行います。
下塗り、中塗り、上塗りの3回の塗装にはそれぞれに役目があるので、ひとつも省くことはできません。
もし仮に2回の塗装で終わらせてしまうと、塗膜の耐久性がグンと下がり、美観にも大きく影響します。
耐久性が低下し塗膜の劣化が早まれば、外壁材自体の劣化も進んでしまい、全体的な住宅の寿命が短くなってしまうのです!
塗装回数は、多くてもいけません。
3回塗りの重要性は、詳しくは、こちらのページにて解説しています。
外壁塗装の4回塗りは悪徳業者の思うツボ?
外壁塗装は、基本的に3回塗り。ですが、ここ最近は4回塗りを謳う施工店が増えているようです。見積りを依頼したら、「弊社は他社と違い、4回塗りをするので安心ですよ!」などと、提案された方もいらっしゃるかもしれません。ですが、外壁塗装は、塗り回数を増やせば良いというわけではありません。このページでは、外壁塗装の4回塗りについてご紹介いたします。
本来、中塗りと上塗りは、同じ塗料と色
最近では、中塗りと上塗りを行う際に、塗料の色を変えて行うことも増えてきました。
が、本来は、同じ塗料と色で塗装を行うのが主流です。
では、なぜその様な中塗りと上塗りで色を変えた塗装が多く活用されるようになったか。
施工店側が施主様に対して「しっかり3回塗っています」とわかるように色を変え始めたのが発端となっています。
確かに、手抜き工事も多い塗装業界なので、塗装を全く知らない一般の方でも、色を変えることで目で見て判断ができる、という面では理にかなっているかもしれませんが……。
同じ塗料を2回塗る必要性
下塗りの1番の役割は、上に塗る塗料と下地とをがっちりと密着させるという点です。
外壁の下地作り作業として必要不可欠な工程で、中塗りと上塗りとは全く異なる塗料が使用されます。
中塗りと上塗りは、同じ塗料を塗布します。
中塗り(上塗り1回目)は、色をつけていく役割。
上塗り(上塗り2回目)は、中塗りの色ムラを補正する役割を持っています。
同じ塗料を塗り重ねることで、その塗料が持っている力を100%発揮できます。
違う塗料を使用すれば、その分、耐久性も下がってしまうのです。
「1回で2回分の厚みをつければ良いのでは?」と考える方もいるかもしれません。
が、垂直な壁に粘度の低い塗料を塗るので、1回でつけられる塗膜の厚みにも限界があります。
強度のある塗膜、見栄えの良い外壁塗装を施すためには、中塗りと上塗りで同じ塗料を2回塗らなければなりません。
色変えNGな理由まとめ
耐久性の低下
色を変えて塗装すると、中塗り塗料と上塗り塗料の密着性が悪くなり、耐久性が下がります。
色変えのために顔料を混ぜたり、どこかの現場で余った在庫塗料を使ったりするのも、塗料本来の性能が発揮されず、同じく耐久性が下がります。
余計な費用がかかる
色を変えるために在庫塗料を使用しない場合、その塗料は新規発注することになります。
塗料は1缶での販売なので、中塗り2缶、上塗り2缶と、合計4缶の発注が必要です。
この4缶のうち、実際に使う量は中塗り、上塗りともに1.5缶。
どちらも0.5缶ずつ余りが出てしまいます。
当然、余った分の費用は戻ってきません。
同じ色であれば3缶で済むところが、色を変えて塗料を使うほど、余計な費用がかかってしまいます。
経年劣化で美観が悪くなる
チョーキング現象(指で触った時に白い粉がつくこと)などの劣化が始まってくると、表面の塗膜が落ち、中塗りの色が見えてきます。
この時、同じ色で塗装を行っていれば何も問題はありませんが、色変えを行っていると激しいムラが生じ、非常に目立ってしまいます。
以上が、中塗りと上塗りで同じ色、同じ塗料を使用する理由です。
手抜き工事の予防として、色を変え工法を勧めることが多いようですが、そもそもそのような提案をしてくれる施工店であれば、手抜きせずしっかりと施工をしてくれるはずです。
外壁塗装では、施工前の信頼関係が大切ですね。